無口なDarling
結局澄子から来たメールを返すことも出来ずに次の日を迎えた。
合わす顔がない。
昨日の事を素直に謝ることも出来ない。
あいつが望むこともしてやれない。
こんな男が彼氏?
・・・自分で自分が嫌になりそうだ。
煙草に火をつけて、体に煙を入れると少し落ち着いた。
「あ・・・」
は?
なんでだよ。
なんでこんな所でこいつと会うんだ?
俺が今いるのは駅から近い場所で、駅に喫煙場所が無いためサラリーマン達はここで一服する場所だ。
つまり、喫煙者が集まる。
「・・・澄子の彼氏・・・だよな?」
俺に声をかけて来たのは紛れもない昨日会った男だった。
澄子の前の男で、俺のイラつきの原因でもある奴。
「・・・だとしたらなんだよ?」
再び襲ったイラつきを押さえ、冷静にそう聞いた。