無口なDarling
「澄子!!」
バイクから飛び降りて私のほうへ向かってくる彼。
普段大きい声なんて出さないのに。
「猛!」
ぎゅっと駆け寄って来てくれた猛に抱きついて、胸板に擦り寄る。
「お前何やってんだよ!?人のいるところにいろって言っただろ。」
ポンっと頭を叩かれる。
「あっご、ごめんなさい。ちょっとトイレに化粧直しに」
心配してくれたんだ。
嬉しい・・・
「ったく。化粧なんて直したって俺以外見ねぇだろ」
と言って、中に「澄子専用」と落書きしたピンクのメットを私にかぶせた。
・・・俺しか見ないって。猛が見るから直したんじゃん。
「いいから乗れ。送る」
「うん!」
猛の大きなバイクの後ろにまたがる。
走り出すかと思い、ぎゅっと抱きついたのに、走り出す様子が無い。
「猛??」