無口なDarling


「え、なんでっ?付き合えるよ!」


なんでそんな事言うの?私猛と別れるなんて・・・そんなの無理だよ!



「・・・」



猛は一向に頭を上げてこっちを見てくれない。



「・・・猛、面倒になったの?」


「違げーよ」


でもそれ以外考えられないよ・・・


なんで?



「だからお前が!こんな目にあってまで俺の事っ」


そこまで言うと、猛はやっと私の顔を見てくれた。



・・・


言ったでしょ?自分を責めないでって。


そんな風に猛が自分を責めるのは間違ってるんだよ?



「好きだよ」


答えは決まってるでしょ?



「この位で負ける気持ちじゃないって、猛が一番知ってるでしょ?」



そう言うと猛は少しだけ微笑んで、柔らかく抱きしめてくれた。



「ごめんな」



そう言って、蹴られたお腹をゆっくりさすってくれる。


大丈夫だよ?



猛といられるならこんな痛み全然痛くないんだもん。



「絶対二度とこんな事にならないように俺が守るから」



猛が優しい顔でそんな事いうから、不覚にも再びあふれ出した涙。



「ふぇ・・・」


辛いことがあったときは・・・絶対後で幸せが訪れる。


先輩達に呼び出されたときは、怖くて仕方なかった。



だけど今はこんなに幸せ。



脅されても、



蹴られても・・・



「別れません」


そう言ってよかった。


あんな人たちに負けなくて良かった。



「猛・・・大好きだよ」


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