無口なDarling


「本当!良かった!!」


今は放課後で、場所は職員室のど真ん中。



目の前で嬉し涙を流しているのは他でもない、猛の担任の先生。



「ったく。大げさなんだよな」



無事に3年生になることが出来た私達。

(もちろん私は問題ないけど!)



「まぁ2年の途中からは出席もよくなったし」



「センセ!それ、私のおかげなんだよ~」


「おい。余計な事言うな」



“だって、学校に来る意味なんて澄子に会う位だし”


そう、前に言ってくれたんだもん。



「ニヤニヤしてねーで帰るぞ」



はっ!また得意の妄想の世界に入り込んでた!!



小走りで前を歩く猛に追いつき、腕に抱きついた。


「えへへ」


目が合って、ニコって笑ったら猛も微笑んでくれた。



こんな穏やかな時間が本当に幸せ。



カタ


一旦猛から離れて下駄箱に向かう。



「ん?」



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