無口なDarling


当日、私はお給料でこの日のために買ったワンピースを着た。


80年代風で、白い大きなボタンが特徴のレトロなワンピ。


可愛いって言ってくれるかな?


・・・や。それはないな。



ピンポーン


玄関からは待ちに待った彼が来たことを知らせるチャイム。





「は~い!」


ガチャ!

勢いよくドアを開けてそこに立ってる愛するダーリンに抱きつく。



「猛~」


「・・・痛ぇ。」

抱きついた衝撃で、猛は玄関のドアに衝突。


「えへへ。ごめんね。あっお誕生日おめでとう」



なんか恥ずかしいな。



「それ、今日の夜中にも聞いた。12:00ぴったりに電話してくるとか。スタンバイしてたわけ?」


もぉ~!!普通はそこで、少しはにかんで「ありがと。澄子(語尾にはハートマークを期待)」でしょ!?まったく!


「もう。とりあえずあがって!」


ぷぅっと頬を膨らましたものの、すぐに笑顔になる。



駄目駄目!今日は猛にとって一年で一番素敵な一日にしてあげるんだから!


「じゃまします。」


「誰もいないからね。気にしないで!追い出したから!!」


「ふ~ん。自分の誕生日でもないのにヤる気満々だな。」


「ヤる気!!?そんなつもりじゃ!!」


真っ赤な顔をして、両手で否定する。


そりゃぁ!まぁ・・・そうゆう事も期待はしてたけど・・・


って!!


「もぅ!猛!!」


「冗談だっつーの。」


肩を揺らして笑う。



いつもより機嫌いいみたい。やっぱり頑張ってよかった!!


「猛!猛!あのね!待ちきれないから!ハイ!お誕生日おめでとう」


本当はもっと盛り上がってきてから渡したいんだけど、もう早く喜んだ猛の顔が見たい!!


「?なにこれ?」


「なにこれって!プレゼントだよ~」

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