無口なDarling
「もう二度と離さない」
ギシギシと痛むくらい強い力。
猛の肩に顔を埋めて、私も同じくらい強い力で抱きしめ返す。
「猛っ、・・・おめで、とっ」
「ん」
「本当にっおめでとう」
涙でグチャグチャな顔で笑うと、猛もピカピカの笑顔を見せてくれた。
「澄子、俺大学でも頑張るし・・・」
「うん」
「だから、な?」
そっと首にかかっているネックレスをはずす猛。
チェーンにかかっている二つの指輪。
その小さい方をチェーンから抜いた。
「だから・・・」
私の左手を取りそっと薬指にはめた。
再び輝きを取り戻した指輪は嬉しそうに光っている。
「うっ、」
「一生、お前の傍にいたいんだ」
猛の瞳には、綺麗な涙が浮かんでいた。
うぬぼれても良いかな?
猛が頑張ってたのは、私の為でもあったんだって。
私との将来を守るために頑張ってくれてたんだって。
「お前とじゃなきゃ、見れないものがたくさんあるから」
不器用な猛が、一生懸命言葉にしてくれている。
猛、
伝わったよ・・・?
猛の気持ち、全部。