無口なDarling
「・・・うん・・」
「はぁ~お前・・・ばかじゃねぇの??」
む!なんでバカなの?
「バカじゃ無いもん!好きな人のためにバイトして、プレゼントするのがなんでバカなの!?」
抱きしめられてる体を離す。
すると、猛は私の手を握った。
「澄子。こんな高いもの、もらえない。お前が頑張って働いた金なら、自分に使え。」
「猛のために頑張ったんだもん!!もらってよ!」
「俺はプレゼントが欲しくてお前と付き合ってるわけじゃない」
「そっそんなの・・・」
「俺の誕生日だから・・・・何なんだよ・・」
なんで?猛はなんでそんなに怒るの?
高いものがいらない??猛だって高いもの買ってくれたじゃん!私だって、プレゼントが欲しくて猛と付き合ってるわけじゃないよ。
「・・・じゃあ・・・これも返す!」
猛にもらったピカピカのピアスを耳からはずして猛に返そうとすると、
「何でだよ!」
猛はピアスをはずそうとする私の腕を掴む。
「私だって、プレゼントが欲しくて付き合ってるんじゃないもん!!」
「・・・とにかく付け直せ。」
「返す!!」
「いいから付けろ!!」
「じゃあ私のプレゼントももらって!!」
「・・・・」
大きなため息をつく猛。
なんで?本当に分からない。私からの初めてのプレゼントだよ?どうして嬉しいって思ってくれないの??
「・・・・澄子、俺のためでも、あんな遅くまで働いて買ってくれても俺は嬉しくない。」
「あんな時間に帰って、なんかあったらどうすんだよ?」
猛は俯いて小声でそう言う。
「そっそれは!」
「俺のために働いてて、澄子になんかあったら、俺・・・・・」
そういってまた抱きしめてくれる。
・・・猛・・・・こんな風な猛始めてだよ・・・・
もっと無口で、冷たくて、私になんか興味がなさそうなのが猛でしょ??
「たけ・・・」
でもこんな猛が愛しくてたまらない。