無口なDarling
「猛~~!!帰ろう~!」
猛の教室のドアを開けて叫ぶと、顔を猛の大きな手によって掴まれ、そのまま引きずられた。
「猛~!?こけちゃうよ!!」
ズルズルと廊下を引きずられる私。
「っとに・・・本当にしゃべりなやつだな!」
痛くない程度にグイーっと首を絞められる。
げ。ばれてる~
「・・・えへ。嬉しくて、つい。」
私がそう言うと、猛は少し照れたようなため息をついて、手を握ってくれた。
「出発。近けぇんだから支度しろよ?」
さっきとは比べ物にならないくらい優しく笑う猛。
「うん!!」
こうして、私達の始めての旅行は幕を開けた。