無口なDarling


「澄子は将センセーと食べるって言ってたよ?なんかね・・・あ!柚木クン!?」


なんか澄子のダチが言いかけたけど、聞いてる暇なんてない。


ハ?アイツと飯?なんでだよ。



イライラが絶頂に達して、歩き回ると社会準備室から声が聞こえた。


「・・・」


澄子の聞きなれた声。



ここか?


ガラっとドアを開けると、澄子はびっくりした顔でこっちを振り向いた。


「猛!?」



何やってんだ?


なんでわざわざこんな所で二人で飯なんか食ってんだよ。



ダメだ。イライラする。



澄子に近づいて腕を掴む。


「痛っ猛??」


「来い」



空き教室に連れて行き、壁に押し付ける。・・・前もこんな事あった気がする。


あの時は賢としゃべっているだけだったけど、今回は状況が違う。



「猛?どうしたの?痛い・・・」


壁に押しやった澄子の手は、俺の強い力で真っ赤になっていた。


「んんっ!?」


無理矢理唇を押し付けると澄子からは苦しそうな声が漏れる。



どうせ俺は嫉妬心が強ぇーよ。そんなの澄子が一番分かってるだろ?なのになんであんな所で二人きりになってんだよ。



あーーーーむかつく。



息をさせる暇も与えずに、唇を押し付ける。


ガラ!!



勢いよく教室のドアが開く。


澄子から唇を離し、ドアの方を見ると息切れをした実習生が立っている。



「ハァ、ハァ、何やってんだ!」


は?それ。俺の台詞じゃね?人の女と密室で何やってたんだよ。



「澄ちゃん泣いてるだろ!?」


< 95 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop