無口なDarling
その言葉に澄子の方をみると、本当に大きな目からは大粒の涙がこぼれていた。
・・・
「澄ちゃん行こう」
アイツは澄子の方を優しく抱いた。
「えっ・・・将く!?」
慌てて何か言う澄子を無視し、肩を抱いたまま教室を出て行った。
「・・・」
何やってんだ、俺。
勝手に嫉妬して、乱暴に壁に叩きつけて、怖がらせて、無理矢理キスして、泣かせて。
たかが飯食ってただけじゃねぇか。
・・・それでも
それでも嫌だったんだ。俺との飯より、アイツとの飯を優先させたことが。
アイツは俺より澄子と知り合ってる期間が長いし、なんと言っても俺に比べたら100倍位優しいだろう。
「くっそっ」
ガン!!!
むかついて、そこら辺にある机を思いっきり蹴っ飛ばした。
「柚木!?お前っ」
すごい音がして、たまたま通った教師に見つかり、職員室に連行される。
あーーーマジついてねぇ。
イライラする。見てんじゃねぇっつーの。
お昼休みが終わりつつあり、移動する生徒がジロジロと俺を見ながらコソコソと喋っている。
職員室に入る前に澄子とアイツが一緒にいるのが見えた。
教師に捕まられている俺を見てこっちに走ってきた。
「猛っどうしたの?」
と腕を掴んできた。
・・・どうしようもなくイライラした。まだアイツと一緒にいたのかよ?
肩なんか抱かれて?ここまで歩いてきたって?
「触るな」
無意識のうちに掴まれて腕を振り払っていた。そして、澄子に対して暴言を吐いていた。
見る見るうちに潤んでいく瞳。
なんでお前が泣くんだよ。こっちの方が泣きたいつーの。
もういいかげん俺らしくない。疲れる。
女一人に振り回されて、こんなイライラして・・・