無口なDarling
俺は涙を拭いてやることも、抱きしめてやることもせずに、澄子の顔を見ないまま職員室に入った。
どうせアイツに慰めてもらうんだろ?なら好きにしろよ。どうせアイツみたいに俺は優しくなんかねぇよ。
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小二時間、机の破損およびサボり、授業中の態度、制服の着方、生活態度などついて説教をくらい、帰る頃にはもう外は暗くなっていた。
「最悪」
上履きをローファーに履き替え、外にでようとした時、アイツがこっちに向かって歩いてきた。
もっと最悪。顔もみたくねぇし。
無視して帰ろうとしたのに、肩を掴まれる。
「柚木」
嫌々振り向くと、むかつく位爽やかに笑っている。
「何すか」
「澄ちゃん、泣いてたよ?」
・・・うるせぇな。
「あんまり泣かせないでよ。」
お前にそんなこと言われる筋合いねぇよ。
「大切なんだ。」
・・・は?
「昔から大切な女の子なんだ。・・・だから泣かせないでくれるかな?」
「・・・はっきり言えよ」