無口なDarling
「君がそんななら・・・もらっちゃってもいいんだよ?」
「んだと?」
ガッっと胸倉を掴む。
対して身長が変わらないが、俺のほうが少し高い。見下ろす様に睨むと教育実習生は鼻で笑うように苦笑いを浮かべた。
「・・・っ」
いちいち嫉妬心をむき出しにしている俺をあざ笑うかのように。
怒りが頂点に達して殴りかかろうとした時、たまたま通った教師に見つかってしまった。
「柚木!?何してんだ!」
その頃には大騒ぎで、せっかく終わった説教がまた再会された。
実習生とは言え教師には変わらない。俺は自宅謹慎になった。
でもその方が好都合だ。学校行くと嫌でもあいつの姿見る羽目になるし。
その夜澄子から何度も連絡があったけど、電源を落とし、そのまま眠りについた。
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着信10件
朝携帯の電源を入れると、SMSが10件の着信を知らせた。もちろん相手は澄子。
掛けなおすことも出来なくて、俺は3日間謹慎を破り外に出かけていた。
地元のやつと遊んだり、バイクをいじったり。
結局3日の謹慎中で澄子の連絡を取ることはなかった。
別に澄子が悪いわけじゃない。澄子は鈍感で、実習生が澄子のことを気にしてることになんか気づいていない。
それでもこの会ってない3日間、アイツと喋っている姿を想像してはむかついていた。
3日目の謹慎中。謹慎中の最後の朝。一度起きた俺だが、俺はまた瞼を閉じて、眠りに付こうとした。
その時
ピンポーン