Strawberry & Eternalcherry
No.3 傷疵
「ふぁ~あ…」
あー。
かったりー。
入学式の次の日からもう授業とかあり得ねー。
…そんでもって。
もっとあり得ねーのは昨日の親父のあの発言。
―「松希、私はお前を正式に次期財閥の跡取りとして任命することに決めた」―
は!?
いや、マジふざけんじゃねーって!!
人の意見総無視で決められて俺が「はいそーですか」なんて言うと思ってんのか!!
大体俺はこの綾小路家で一番の下じゃねーか!!
なんで姉貴や兄貴共を任命しない!?
なんで俺が跡取りとして任命されなきゃならねーんだよ!!
―「ならば松希。お前の生きる道を私に示してみろ。姉や兄たちのようにな」―
親父のその言葉に俺は言い返せなかった。