【中編】ひとつの愛



「流湖ちゃん!
今日、生徒会ある?」

「え? んー」



行きたくないな。

今日は先生が来る日だから。

だから、行きたくない。


でも生徒会は毎日ある。

愛姫だって知っているはずなのに、わざわざ聞くなんて。


あ。



「碧となんかあった?」

「うぇ!? んにゃ、なななっないよ!」



わかりやすい子。

んにゃ、って(笑)


真っ赤にした顔を両手で押さえ俯く。

そんな愛姫を見ていたら自然と笑みが零れた。



「碧と何があったのー?」



チラッと上目使いで、私を見ると周りをキョロキョロと確認してから小声で呟いた。



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