【中編】ひとつの愛
「……チュウしちゃったの」
えっ?
凄く驚いた。
碧と愛姫のキスの事だけじゃない。
自分自身の事もあったからだろう。
「流湖ちゃん?」
「あ、ごめんごめん。
いきなりキスとかビックリするじゃん」
「るっ、流湖ちゃん。声大きいよー」
また顔を真っ赤に染める。
「あっ、碧」
「ふぇ!?」
廊下を歩いて来た碧の名前を言うと愛姫は、急いで教室へと隠れてしまった。
「あ、流湖さん。
あのー、あいつ見ませんでした?」
「あいつって?」
ニヤッと笑いながら言うと少し頬を染めた碧が
「愛姫っすよ……」
照れて言う。