【中編】ひとつの愛



カッと熱くなる顔。

下唇がワナワナと奮えたのがわかった。


一礼をした私は、先生を真っ直ぐ見つめ……1度も合わなかった目を下へと落とし職員室を後にした。



私は、何を期待していたの?

先生にすれば、気まぐれのキス。

何度もそう思っていたじゃない。



わかっていたはずなのに……。



あのキスに意味があって欲しかったんだ。


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