【中編】ひとつの愛



そう思うと急に目頭が熱くなった。

力を入れてゆっくりと瞬きをする。

大きく息を吸い込む。



先生を好きになってから何度こんな事を繰り返しただろう。



わかっているのに、いつも私の中で小さな期待は大きく膨らんでいる。

そして現実を目の当たりにすると一気に落ちるんだ。



もう泣きたくない。



こんな胸の痛みを味わいたくない。



わかっているのに。

私の思いは弱く砕けてしまう。



少しでも“何か”があると同じ事の繰り返しなんだ。



どうすれば先生を嫌いになれる?

どうすれば先生を忘れれる?

どうすれば前に進めるの?



< 107 / 159 >

この作品をシェア

pagetop