【中編】ひとつの愛



皮肉なもので、あれほど願った


“先生と学校の外に出たい”


それが、今こうして叶うなんて。



これが、もしあの時だったならどんなに嬉しかったんだろう。

先生にくっついて、いっぱい話して笑い合えていたのかな?



今は出来ない。



すぐ隣に居るのに。

ちょっと手を伸ばせば届くのに。



まだ、こんなに 好き なのに。



わざと窓の外を見る。
窓に映る先生の姿を見ているんだ。


近くにいても、先生を見る事すら出来ない私が、先生に触れれるわけがないよね。



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