【中編】ひとつの愛
「ねぇ、お前わかってるよね?」
「……何が、ですか?」
私から目を逸らした先生は、少し考えてまた目を合わせた。
「俺と一緒に居たって、学生ぽい事は出来ねーぞ?」
「学生ぽい……事?」
「まぁ、何だ。手繋いだりとか? 一緒に帰ったり……とか、か?」
自分から言い出しておいて、私に聞き返すのが可愛い。
プッと笑った私を見て『お前笑ってんじゃねーよ』って頭をガシガシとされた。
「だって。先生がそんな事言うから」
「はぁ? 俺だってだな、真剣に考えてな……」
「いいんです」
話している途中に、ハッキリと言い切った。
え? と目を大きくさせる。