【中編】ひとつの愛
「でもね? たまには、2人きりで合ったり出来ますか?」
フッと笑った先生は、
「当たり前だろ。じゃなきゃ俺が困る」
って言ったんだ。
“俺が困る”ってどういう意味なのか何度も何度も聞き返したけど。
それだけは絶対に教えてくれなかった先生。
また、先生の隣に居れる、それだけが嬉しくて。
ま、いっか♪って思ったんだ。
「よし、じゃあ早速行くか」
走り出した車。
え?
どこに?
そう聞く前に、運転しながら『2人きりになれる場所』って言った。