【中編】ひとつの愛



「……何だ」



ボソッと心の声が出たのを聞き逃さなかった先生は、ニヤッと笑い



「あれ、何かして欲しかった?」



って。



ボボボッと一気に赤くなった顔は茹蛸状態。


それを見ながら、ケタケタ笑う。



「お前もやっぱり高2なんだなー」



って、どう意味ですか?


そんなオバサンに見えてたんですか?

って突っ込みたくなったけど。


ヨシヨシって頭を撫でられて『ちょっとだけなら、おけ?』とか、上目使いで聞くなんて反則なんだからっ!



うん、そう頷く前に唇が重なった。



驚いたけど、ゆっくりと瞼を閉じた。


唇が離れ、コツンとぶつかるオデコ。



「ちょっとフライング」



恥ずかしそうに笑うから、怒る事なんて忘れてしまったんだ。




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