【中編】ひとつの愛
見えない答え-AO
「あ……おはよ」
一瞬、マズイって顔をした後、それを取り繕う様に微笑む。
今の顔は何だよ、今の顔は!
最近の愛姫はいつもコレだ。
あのキス以来、毎日。
「なぁ、愛姫…」
「あっ! そうだ!
パパが久々に碧君の事、見たいって言ってたよ」
「え? あー陽呂さんが?」
「うん♪
碧君のお父さん達も一緒に今度のパーティーおいでだって」
ニコニコ笑いながら話を続ける愛姫は、いつもと同じ。
だけど、
俺に会った瞬間だけは顔をしかめる。
「ね、だから来てね?」
「……うん」
「わっ! 本当に?
パパ喜ぶよ! 碧君、全然来てくれないからさ」
え?
俺、今『うん』とか言った?
「皆も来るし、楽しみに待ってるね♪」
「あ……愛姫!?」
そう言うと、愛姫は行ってしまった。
パーティーかぁ。
いつぶりだろ?
陽呂さんに会えるのは楽しみだけど……。
パーティーには、行きたくない。