【中編】ひとつの愛
言葉より体が-MAKI
今日の碧君は、凄く機嫌が悪くて。
パーティに無理矢理呼んだからかなぁ?
とか。
あたしに会いたくなかったのかなぁ?
とか。
色々考えていたんだ。
それなのに、碧君が真剣な顔をして
『なぁ、何でキスとかしたの?』
そんな質問を急にされても困る。
急じゃない、か。
あたしが逃げていただけだ。
答えることが出来なかったから。
どうしてキスしちゃったんだろう。
いくら考えても考えても答えは出なくて。
そうしたら、どんどん碧君のそばに居ることが苦しくなっていったんだもん。
キスして、
あたし達の間には変な距離が出来てしまった。
さっきだって、碧君に酷いことをしてしまった。
なのに、
どうして今……碧君はあたしの手を引いて走っているの?