【中編】ひとつの愛

言葉より体が-MAKI




今日の碧君は、凄く機嫌が悪くて。


パーティに無理矢理呼んだからかなぁ?
とか。

あたしに会いたくなかったのかなぁ?
とか。



色々考えていたんだ。



それなのに、碧君が真剣な顔をして

『なぁ、何でキスとかしたの?』

そんな質問を急にされても困る。



急じゃない、か。

あたしが逃げていただけだ。

答えることが出来なかったから。


どうしてキスしちゃったんだろう。


いくら考えても考えても答えは出なくて。


そうしたら、どんどん碧君のそばに居ることが苦しくなっていったんだもん。


キスして、


あたし達の間には変な距離が出来てしまった。

さっきだって、碧君に酷いことをしてしまった。



なのに、



どうして今……碧君はあたしの手を引いて走っているの?




< 34 / 159 >

この作品をシェア

pagetop