【中編】ひとつの愛
「友達から、好きな人へと変わる時ねぇ。
んー、どんな場合もだけどね?
その人の事で頭がいっぱいになったり、その人の態度が気になったり、その人の気持ちが知りたくなったり。
そんな時じゃないかな、気づくのって」
「頭がいっぱいになって…態度が気になって…気持ちが気になる?」
「そう。細かく言えばもっとあるだろうけど、その人の一言一言で一喜一憂したりしちゃうんじゃないかな」
碧君の事で頭はいっぱいだよ。
碧君の態度が気になるよ。
碧君の気持ち……知りたいのかな。
あたしは、碧君が好き。なのかな?
「でもね。焦って答えを求めなくてもいいんじゃない?
愛姫は、愛姫のペースがあるでしょ?」
「で、でもね! 相手を待たせてるとしたら?」
「そうねぇ。そんなに気になる相手なんだったら、もう“好き”なのかもしれないね」
最後にママは、どんな結果になってもこれだけ考えて悩んだ結果ならママはいいと思うよ。と言ってくれた。
あたしは、碧君の事を“好き”って思う気持ちが何なのか気付けるのかな。
それまで、碧君は待っててくれるのかな。