【中編】ひとつの愛
好き。
そう言って後、今までと同じように接する事なんて俺には出来ない。
振られれば、俺は愛姫と距離を置きたくなる。
付き合えれば、もっと一緒に居たくなる。
好きな奴が哀しむ事をしたくない。
好きな奴の笑顔が見ていたい。
俺だってそうは思うけど。
実際、振られて好きな奴が他の男の事で笑ったり泣いたりしている姿を隣で見てれるほど俺は大人じゃないし。
それよりも先に、どうやって忘れよう。それだけなんじゃないか?
だから、何事もなかったかのようには出来ない。
立ち上がった俺は、そのまま図書室から出て行った。