【中編】ひとつの愛
あたしの恋はどこからが始まりなんかが良くわからないけど。
多分、こんなにドキドキしたりキューンってする人は悔しいけど碧君しかいないのかもしれない。
「きゃあああああ!」
ドサドサと落ちてくる本。
ガタガタと脚立の倒れる音。
その1番下で涙目のあたし。
近付いて来た足音に、顔を上げるとやっぱりそこには呆れた顔をみせる
碧君がいる。
「えへへ~」
「愛姫、笑うとこじゃないから」
お決まりのセリフ。
「てかさ、わざとやってんの?」
あたしの手を引っ張り、立たせながら言われた言葉におもいっきり首を横に振る。
まさか!
こんな事、わざとするわけないじゃん!