【中編】ひとつの愛
「ほぼ毎回やってくれるよな、これ」
散らばった本を指差しながら、苦笑いを見せた碧君に
「ごめんなさい……」
そう呟いた。
「謝っても許さないけどねー」
「へ!?」
その言葉に顔を上げると、唇に優しいキスがひとつ。
すぐ離れてしまった碧君の唇は、
「これから失敗したらコレな♪」
とニヤッと笑った。
真っ赤になって口を押さえたあたしは、
「失敗したらって……」
罰なの?
それとも……失敗ばっかりしろって事?
とは、恐ろしくて聞けないのです(笑)
【END】