【中編】ひとつの愛



やっと終わった頃には、外は真っ暗。


んーっと伸びをする。



「……ほとんどしてないのに、何が疲れたわけ?」



隣からは、イターイ突っ込み。

確かに……ほとんど、碧君が1人でしてたよね。

あたしがしたやつなんて間違ってて、碧君がやり直してくれてたし。



本当だ、あたし……何に疲れたんだろう?



「あっ、あたし! これ職員室に運ぶねっ!」



大量のカードを持ち上げようとするあたしに、



「って、やめろって」

「大丈夫、大丈夫!」

「いや、いいから。って!おい……」



カタンと音を立てて立ち上がる碧君。



「まかせて……」



バサバサと音を立てて落ち広がるカード。



「よ……ね?」



それを見て完全にフリーズ。



あ……れ?



「はぁぁぁー」



大きな大きな溜息が聞こえた。





< 8 / 159 >

この作品をシェア

pagetop