【中編】ひとつの愛
そんな中、先生の結婚話の噂が出回った。
美人で有名な英語の先生。
目の前が真っ暗、その言葉がピッタリだったんだ。
――結婚するんですね。
――おめでとうございます。
放課後、生徒会の終わった部屋でいつもの2人きり。
案外アッサリと出てしまった言葉に少し驚いた。
先生は、少し言葉を濁しながら私に尋ねた。
――流湖は、いいの?
――何が?
そう聞き返した私に、少し哀しい笑顔で首を振るだけだった。