【中編】ひとつの愛
届かない想い-TATIBANA
隣を通る度に、甘い香りを残す。
手を伸ばせば、
お前に触れれるのに……。
どうしても、掴む事が出来ない。
その長い髪に触れる事すら出来ないんだ。
“教師と生徒”
どうして、
お前は生徒なんだろう?
最近は、こんな当たり前の事を考えてしまう。
俺の頭は相当ヤバイらしい。
今まで生徒を生徒としか、思った事がない。
でも、
出会った時からお前を……。
お前を。
生徒として見れてたんだろうか?
10個も下のガキを、女として見てしまっていたのかもしれない。
俺は教師失格だ。
だけど、教師なんだ。
だから、お前の気持ちに答える事が出来ない。