宝石よりも
毎晩俺は美夜の部屋を訪れ、美夜は俺にお礼を渡した。
そして一週間ほどたったころ。
「カイは綺麗だね」
俺が紅茶を飲むのを眺めていた美夜が、唐突に口を開いた。
何を言い出すかと思えば。
「綺麗?」
「いつもにこにこしてて。目が綺麗だし、手だって。あと髪も!」
そう言って手を伸ばして俺の髪に触れた。
「だめだよ、美夜」
え?って顔をする美夜をよそに
髪に触れている美夜の手をとり、唇を落とした。
美夜がピクンと反応して、俺はにやりと笑ってみせた。
「そんな簡単に男に触れたら、だめ」
美夜の頬はピンク色を通り越して真っ赤に染まった。