宝石よりも


「う、うん」



美夜はカチンコチンに固まったままそろそろと手を引っ込めた。

俺はそんな美夜を見てくすくすと笑った。



……もう少し警戒心を持つ必要があるからね。



美夜は。





美夜は俺を綺麗だと言うけど





俺は全然綺麗なんかじゃないんだよ……








カチッ……




時計の針が、真上を指した。





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