宝石よりも
「カイはどこから来てるの?」
私が尋ねると、カイは必ず人差し指を口元に当てる。
「内緒」
そうだよね、泥棒さんだもんね。
そんなに簡単に人には教えられないよ。
私がしょんぼりしていると、カイは私の頭を優しく撫でる。
「落ち込まないでよ。いつか教えてあげるから」
そう言うカイの顔を見上げた。
いつも通り、柔かな笑みを浮かべているカイ。
教えてくれる気はないのかもしれないけど。
私は、待ってるよ?