宝石よりも

「カイはどこから来てるの?」



私が尋ねると、カイは必ず人差し指を口元に当てる。



「内緒」



そうだよね、泥棒さんだもんね。

そんなに簡単に人には教えられないよ。



私がしょんぼりしていると、カイは私の頭を優しく撫でる。



「落ち込まないでよ。いつか教えてあげるから」



そう言うカイの顔を見上げた。


いつも通り、柔かな笑みを浮かべているカイ。



教えてくれる気はないのかもしれないけど。


私は、待ってるよ?



< 18 / 103 >

この作品をシェア

pagetop