宝石よりも
時計の針が12時を指したら、カイとのお別れの時間。
うとうとしてる私をちゃんとベッドまで運んでくれる。
私はカイが窓から出ていく前に、準備しておいたお礼を渡す。
「ありがとう」
って。
カイはにこにこ笑顔をさらににこにこさせて言ってくれる。
私はカイのそんな顔が好き。
カイは私からお礼を受け取ると、窓から消えるように出ていく。
ふわり、と。
闇夜に溶けてしまったかのようにカイは見えなくなってしまう。
寂しいけれどまた明日。
夜になったら来てくれる……
そう言い聞かせて毎晩別れを惜しんできたけど
でも、もう
明日の夜を最後に来てくれなくなるかもしれない………