宝石よりも
真夜中デート
その夜から、美夜からもらうお礼はキスになった。
一晩に一度だけ、触れるだけの軽いキス。
美夜は何度やっても慣れないようで
いつも頬を染める。
そのほうがいいけどね、可愛いから。
今夜も美夜のキスをもらって、頬を染める美夜。
そんな美夜に、俺は微笑む。
「ねぇ、美夜」
美夜はぴくりとして顔を上げた。
「今日は俺からお願いがあるんだけど」
初めての俺からの頼みごとに、美夜は目を輝かせた。
「なあに?何でもいいよ?」
俺は首を傾げる美夜の髪に指を軽く通した。