宝石よりも
夜8時。
約束の時間きっかりに、美夜のマンションの前に着いた。
美夜はもうとっくに着ていて、俺が来たことに気づくと目を丸くした。
無理もない。
だって俺は、いつもとは違う服を着ているんだから。
さすがに外をうろつくのにあの服は目立つ。
ということで、今日の俺は完璧に高校生っていうカッコをしている。
「お待たせ」
美夜も、当たり前だけどパジャマではない服を着ていて新鮮だった。
ふわふわと軽そうなスカートが、風に揺れている。
「可愛いね」
俺がそう言うと、美夜は照れたように笑った。