宝石よりも
「ねぇ、なんで工事中だと謝らないといけないの?」
看板を指差しながら不思議そうに美夜が俺に尋ねた。
は?
何でって……?
「迷惑かけるから、じゃないの?」
美夜は俺の答えが気にくわなかったらしく、難しい顔をして看板に顔を向けた。
「私達のために工事してくれてるんだよ?感謝すべきは私達なんだから、謝らなくていいと思う」
いきなりそんなことをいい始める。
……誰もこの看板を見てそこまで深く考えないと思うんだけど。
って、やば。
また美夜が考え始め、また何か聞かれると面倒なので、俺は急いで美夜の腕を捕まえ、さっさとその場を離れた。