宝石よりも
「今日は付き合ってくれてありがとう」
夜の道を、街灯の明かりを頼りに歩いた。
「ううん。私も楽しかったから」
美夜はにこにこと首を振った。
美夜のマンションの前まで到着し、美夜の方に顔を向けた。
「部屋まで送ってくから。この前みたいなことにならないようにね」
美夜はあはは、と苦笑いした。
「えっと、お願いします……」
エレベーターに乗り込み、最上階のボタンを押した。
エレベーターが上に上がっていく。
チン、と音がして、美夜の部屋の階まで着いたことを知らせた。