宝石よりも
光と闇
真昼の波打つ海岸。
俺はポケットに手を突っ込んで空を見上げた。
……眩しいなぁ。
「カイ!」
後ろから声が聞こえて振り返った。
「ナオ」
野球キャップを被った直樹が、砂浜を駆けてきた。
直樹は息を切らして、俺の隣に倒れこんだ。
「どうかしたの?」
倒れこんだ直樹を覗き込んだ。
直樹はゲホ、と咳こんでから俺を見上げた。
「いや……カイがいたから」
俺はぷっと吹き出した。
「何?俺を見つけたらいつでも走ってくるわけ?」
「ちげーよ!」
直樹はあほか、と言いながら俺に隣に座るように促した。
仕方なく、大人しく隣に腰を下ろした。