宝石よりも


落ち込む私の頭、カイはくしゃくしゃと撫でてきた。



「じゃあ、いつか連れてってあげるよ。海」



私は目を輝かせてカイを見上げた。



「本当に?ありがとう!」



カチッ……


同時に、時計が12時を示した。



カイはくすっと笑って私の耳元に口を近づけた。



「……約束」



カイの囁きにドキッとした私の隙をついて、いつも通りのキスをした。



カイとのキスは、どうしても慣れない……



カイはそっと私から離れて髪を掬い、口づける。




そして今夜も、闇に溶けていく……



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