宝石よりも




カイが来るまで、私はいつも一人で夜を過ごしてた。



あの家にいるのが嫌で、初めてわがままを言ってでてきたけど


一人は寂しかった。




毎晩、ベッドの中で膝を抱えてうずくまって涙を流してた。








カイと出会ったあの夜も。



男に襲われて、もうだめだと思うのと同時に


これで楽になれる、とも思った。




これで、涙を流す夜を過ごすことはない、って。







でも、



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