宝石よりも

「ねぇ、何してんの?お兄さん」



ナイフをキラリと煌めかせて、男の首に押し当てていたカイ。



この時感じたものは、

絶望でも、恐怖でも、驚きでもなく。





ただ、カイに魅せられていた。



何故だかわからないけれど。




引き止めたくてどうしようもなくて、無理なお願いってわかってたけど


また来てくれるかと聞いた私に、カイは微笑んだ。







あなたが来てくれるなら


もう夜も怖くはない


って、思ったの





< 44 / 103 >

この作品をシェア

pagetop