宝石よりも
「この前カイにもらったから、お返し」
ふふ、と笑う美夜。
俺は美夜から受け取った、手のひらの中の貝殻を眺めた。
白く輝く貝殻は、まるで君みたいだね。
「ありがとう」
そう言えば、彼女ははにかんだように微笑む。
……綺麗な君に、汚い俺は似合わない。
そう、思いながらも。
美夜にそっと口づけた。
さっと顔を赤くした美夜。
君が汚れてしまうのに、わかっていてそばにいる。
俺は、悪魔なのだろうか。