宝石よりも
何してるかだって?
そんなのわかってる。
当たり前じゃん。
「……さぁね」
そう告げると、直樹は目を見開き、俺を砂浜に叩きつけた。
砂が口の中に侵入して、ジャリッとしたものを感じる。
直樹は俺をしばらく睨みつけたあと、怯え佇む美夜を振り返った。
美夜はびくんと体を震わせ、怯えた目で直樹を見つめた。
「あんたも、カイを誘惑すんじゃねぇよ」
「え……」
美夜は戸惑って、目を泳がせている。
無理もない。
美夜は俺を誘惑してるつもりなんてさらさらないんだから。
「違うよ、ナオ。その子はそんなこと思ってもない」
砂浜から体を起こし、立ち上がった。
振り返ったナオの視線を感じながら、体についた砂を叩き落とす。