宝石よりも
「誰にだって間違いはあるの。その人がもう二度としないって誓うなら、警察にだって通報しない。逃がしてあげて」
女の子はさっきまで泣いていたとは思えないくらい、はっきりと言った。
「誓います、誓います!二度としない!」
男は女の子に土下座し、床に頭をこすりつけた。
俺ははぁ、とため息をついて男に向き直った。
「お兄さんが襲ったのは、どうやら天使だったらしいね。死んだら地獄行きかもよ」
頭を床にこすりつけたままの男を玄関から摘まみだし、ドアを閉めた。