闇の花~2人の殺し屋~
俺と月乃と女生徒と
――聖side――
「えー、だからここにX代入して…」
俺は黒板を背にして授業をしている。
あの長く短かったような鎖紺との事件が終わった。
今は昼過ぎで高くに昇っている太陽の光がサンサンとさしこんでいる。
昼食後もあって寝ている連中も…いる。
俺はその中の窓側にいる生徒に目を向けた。
--月乃に。
月乃は俺の授業を一切聞かず、ただ外を眺めている。
まぁ、いつもなら当てるんだが…
それよりも今は普通にいる姿が特別嬉しく思える。
月乃が病院に運ばれたとき…手術中は特に生きた心地がしなかった。
ずっと目覚めるのを待っているつもりだったのに俺自身が寝ていた。