闇の花~2人の殺し屋~
ありえない・・・
そんな山岸に私は少し呆れて、ため息をついた。
「何回も言ってるでしょ。私とあなたは“ただの”生徒と先生でいなくちゃいけないの。誰にも気づかれてはいけない」
「わかってるよ。安心しろ。
それよりコーヒー飲むか?」
ほんと緊張感のない男。
「生徒が飲んじゃ駄目でしょ」
「あ~…月乃はいいだろ」
「いらない。教室に戻るから」
そして私は教室を出た。
本当にのんきな人。
あんなんで安心なんて出来ないわよ。
“ドンッ”
廊下を歩いていたら女の子とぶつかった。
女の子は持っていた紙を落としてしまった。
「あ、ごめんなさ…」
「こちらこそ、ごめんなさい」