私 の 愛 し い 人 [ホラー]
『‥‥‥‥‥‥っう』

まずい‥‥‥
何これ?

一口含んだ瞬間一気に食欲が失せる。

『‥ねぇ雪梛さん‥‥
これ‥何?』

たまらずに私は聞く。

『え?
これ?』

『それ。』

今食べた物を指差し答える。
見た目はタケノコともやしを炒めた物。

『タケノコともやし炒めだよ。』

わかってるよ、それぐらい。

『‥調味料‥‥何入れたの?』

『えーと‥みりんと、料理酒と、砂糖と、醤油だよ?』

『‥雪梛。
‥‥どれぐらい入れた?』

横から琉輝星も聞く。

『‥‥‥わかんない。』

その言葉を聞いて私は台所へと行く。

『っ何これ?!』

もはや今までの台所の原形を留めていない。
黒い焦げが付いたフライパン
こぼれた醤油やみりん。
包丁には切った材料がつきっぱなし‥‥‥‥

綺麗に使っていた台所がめちゃくちゃだ。
< 49 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop