私 の 愛 し い 人 [ホラー]
玄関を出てエレベーターに乗りロビーまで着き思い出す。

『‥キーケース忘れた‥‥‥』

もう一度エレベーターに乗り家まで戻る。
玄関の扉を開け家へと入るが、ばつが悪くそーっと静かに入り自室へと潜り込んだ。

『‥たく‥‥‥最悪だ‥‥。』

「‥‥‥‥‥‥‥‥」

「‥‥んね‥‥あた‥わ‥‥」

隣の部屋の話声が耳へと自然に入ってくる声。
無意識に耳を澄ます。

「ごめんね‥‥
私‥何も出来なくて
取り柄ないね‥‥」

弱々しく笑う雪梛の声。

「何言ってんだよ。
料理は少しずつ覚えたらいい。

俺はさ、もちろん雪梛の中身も性格も大好きだよ。

だけど何でも似合うスタイルも
ナチュラルな化粧でも凄く綺麗な顔も
さらさらな髪も‥

全部大好きだ。
友達にも皆に自慢できる!

でも‥料理が出来たらもっと自慢できるな〜」
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