私 の 愛 し い 人 [ホラー]
『そう?』

『うん、雪梛の匂いがする』

笑いながら琉輝星は買ってきたジュースを私に渡す。
私の好きなジュース。

『ありがとう!』

琉輝星はニコッと笑うだけでそれ以上何も言わない。

このさりげない優しさが大好きだった。
でも‥あの子に同じ事をしているのか、と考えるとすごく嫌な気持ちになる。

『あ!
雪梛の用意終わってるならドライブしながらそろそろ向かわね?
遊園地に♪』

『いいね!
ドライブ久しぶりだから嬉しい!』

『じゃ、たまには雪梛の運転で〜♪』

その言葉に私はこれでもか、というほど驚いた顔をして見せた。

確かに免許は持っている。
ちゃっかり18歳の誕生日に免許をとったぐらいだ。
だけど運転するのは、ほんのたまに。
両親と出かけた時に運転するぐらい。
月に1回あれば良い方だ。

‥私は運転に自信がない。
出来れば運転は避けたいが両親が就職する際に便利だと言って運転させたがる‥。
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